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働くを考える

マイクロマネジメントの発生は上司ではなく、部下からなのかもしれないとも思った話

悪しきマネジメントスタイルとして語られることの多いマイクロマネジメント。上司の不満を列挙する記事には必ずと言っていいほど登場します。原因は上司の経験や気質、組織の文化や伝統等、これらが大きく影響しているのは間違いないでしょう。しかしそんな上司も昔は部下だったはずですし、現場からの生え抜きであればそれこそ直前までその部署の部下だったはずです。では一体、どこでマイクロマネジメントは発生するのでしょうか。

些細なきっかけ

社内の良くある風景として、部下から上司に以下のような問いが投げかけられるケースがあるでしょう。

  • 「○○の件、いつ頃実施しましょうか?」
  • 「この部分、何色が良いですかね?」
  • etc

実はこの何の変哲も無い些細なやりとりこそが、マイクロマネジメントの始まりではないだろうかとも考えます。なぜ部下はこのように聞くのでしょうか?それは単純に言えば楽だからです。自分の頭で考えず、ある種の答えを聞く方がよっぽど簡単ですので、このような動きになるのは合点がいきます。そして真面目な上司ほどそれに対して、「自分が考えてあげなければ」、「部下が困っているから助けなければ」といった思いから関与を強め始めるでしょう。多くの必要な情報を要求したり、聞かれる前に多くの指示をしたりするようになるかもしれません。初期こそ上司によるスピード感のある意思決定がなされるものの、いずれ現場の変化によって上司の決定がボトルネックになり得ます。そうして損益分岐点を上回る時に、まさしくマイクロマネジメントになるのではないでしょうか。

できること

大切なのは上司と部下との線引きです。当然部下が全てを決めて執り行うことは難しいので、どの部分はどちらがどれくらい実施するのか、そういう観点での議論と定義付けが適切なバランスを生むはずです。例えば、Management 3.0 のデリゲーションポーカーが活用できるでしょう。
management30.com
デリゲーションポーカーとは2者間での権限移譲を、命令する、説得する、相談する、同意する、助言する、尋ねる、委任するの7段階を用いて認識の相違を解消していくツールです。これらを定期的に行うことで、時代の変化、組織の変化に合わせられ、上司がダークサイドへ堕ちずに健全な組織運営がなされるものと考えます。