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働くを考える

僕たちはやりがいが効率性に勝るということを証明しなければならない

ビジネス向けチャットサービスは他にもあるのに(しかも以前から)、にもかかわらずSlack: Be less busyがなぜウケたのかを考えると、メールやミーティングといったビジネス上のコミュニケーションの多くは、文字通り"ビジネスライク"にお堅くなりがちなものを、ポップな見た目、軽快なアニメーションやエモーティコン、"おふざけ"的なものを含む豊富なプラグインやインテグレーションの楽しさによって、やる"甲斐"を与えているからではないでしょうか。情報伝達という観点で言えば、メールと大きく変わりませんし、場合によってはチャットの方が非効率ですらあり得ます。他のチャットサービスと比較するなら、機能面では何一つ違いがありません。それでも人を惹きつけて止まないのは、ただ"楽しい"という、真面目な文体で語るにはいささか気恥ずかしさすら感じるこの理由に尽きるのではないでしょうか。


やりがいのためのエンタープライズ

多くのエンタープライズ向けソフトウェアは効率のためにあります。情報を集め、フローを整備し、効率性を上げる、経営層や管理部門にとっては非常に意義のあることだと思います。しかしこれからは"やりがい"のためのエンタープライズ向けソフトウェアが求められるのではないかと感じています。ロボット技術やAIによって人間の働く場所は奪われると言われて久しいですが、確かにそれらによって効率性は今まで以上に大きく改善されるでしょう。ですのでこれからはやりがいによって生まれるイノベーションやクリエイティビティが、効率性に勝るということを、人間は証明しなければならないのかもしれません。どんな職種や業務であっても、そこに楽しさや面白さを見い出し、新たな価値を生み出す、それを少しでも支えられるエンタープライズ向けソフトウェアが作れたらいいなと思う今日この頃です。