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働くを考える

おそらく数年後、企業の枠組みを超えてチームレベルでの統廃合が起きる、と思う

組織論

現在、多くの企業が機能別組織を採用しています。大きな枠組みでいうと、営業部門、開発部門、製造部門、会計部門、などでしょうか。事業部制事業本部制を採用していたとしても、細かく見ていけば、グループやチームといった単位で、機能毎に担当が分かれていることには変わりありません。しかし数年後、それぞれの機能は企業という枠組みを超えて、統廃合が行われるのではないかと予想します。つまり、すべての企業が出来うる限りのいわゆる「持たない経営」になるとともに、企業内のすべての業務が「事業化」または「本業化」に向かう時代です。

なぜか

外因:クラウドサービスの台頭

クラウドサービスとはネットワーク越しに様々な機能を提供するサービスの形です。大きな分類だと、サーバやネットワークといったハードウェアを提供するIaaS(Infrastructure as a Service)や、アプリケーションなどソフトウェアを稼働させる環境(プラットフォーム)を提供するPaaS(Platform as a Service)、そしてメールなどのソフトウェアそのものを提供するSaaS(Software as a Service)に分けられます。自前で機器を導入する必要がなく、使用量に応じたコストになるので、導入障壁が少なく、今日、利用していない企業は稀だと言ってよいでしょう。狭義のクラウドサービスにとどまらず、昨今ではエンジニアリングや士業といった人的リソースも、ネットワークを通じて提供するサービスアズアサービス(Service as a Service)とも言えるような形のものまで存在します。ともすれば、自身の業務と同種のクラウドサービスは間違いなく存在し、言うなれば、どんな職種や業務であれ、世界中で競争関係にあると言っても大げさではないでしょう。市場原理に従い、より優れたサービスを提供する方がより大きなマーケットを手に入れ、結果、規模の経済性からさらに安く便利になるはずです。今後さらにクラウドサービスが台頭し、その利用に対する受け入れが進めば、経営陣がクラウドサービスと社内業務を比較して、あらゆる点でクラウドサービスに優位性を感じるならば、企業内に持つ業務の差し替えが急激に進んでもおかしくありません。

内因:組織内に潜むコストが高くてやりがいのない仕事

一方で当ブログでも何度も働くの"モヤモヤ"について話してきました。鈍重で変えることのできないビジネスワークフロー上をタスクと責任だけが行き交う結果、日々タスクに追われ、引き継いだ伝統的なタスクや"おまじない"タスクをただこなすだけのやりがいのない仕事になり、また、各チームが自身の業務に責任を持つが故、各所でバッファが組まれ、質の低いこなすだけの仕事とバッファがワークフローを通じて積み上がれば、結果、事業そのもののスピードや質に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。これを"企業らしさ"と取る向きもありますが、今後、ビジネス環境が一層厳しくなり、経営陣が課題として認識したならば、コストでも質でも優位性のある外部に活路を見出すのは自然なことでしょう。

その時代に備えて何をすべきか

やりがいもなく、しかも差し替えられるリスクのあるこの時代、現場の人にとって受難とも言える時代に向けて、一体何ができるでしょうか。「業務を(プライベート)クラウドサービス化する」のように、コアコンピタンスになりうる自分たちにしかできない業務を見出し、それをあたかもクラウドサービスのように提供するのはひとつの手です。別の言い方をするならば、パブリックの競合サービスと勝負できるようなものを、パブリックにも提供可能な状態になるくらい洗練させる、ということです。必然的に業務の選択と集中が行われ、見出せない業務は外部のクラウドサービスや他チームに任せたり、止めたりするようになるでしょう。ふたつめは「チームとして、個人としてスキルセットを考え直す」ことです。コアの業務執行能力だけではなく、クラウドサービス化する上でのエンジニアリングや競合サービスとの市場の取り合いに向けたマーケティングも必要になります。それらをトレーニングや採用で補ったり、外部のサービスを利用したりすることに少しずつシフトすることは大変意義のあることです。そうすることで、組織内だけでなく、世界的にも一定の立場を確立できる素養があるのならば、この「総事業化社会」とも言うべき時代を生き抜いて行けるのではないでしょうか。そこまでするのは大げさに感じるかもしれませんが、そこまでする必要がないのなら、それはする必要がない、つまり外部と置き換えが可能だということを暗示していることに他なりません。

やりがいがあって意義のある仕事

ある意味殺伐とした時代予想ではあるのですが、同一の業務が集約することで得られるコスト削減は大きな経済効果を生むでしょうし、何より誰もが働くことや仕事に対して強烈なやりがいと開放感を持つ時代というのも、決して悪いことではないと感じます。このような時代に推し進める、または下支えするような仕組みを考えていけたらいいなと思います。