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kazukiyunoue-work

働くを考える

「経営者意識を持て」というのはなにも会社の役員や幹部のように働けということではない気がしてきた

「経営者意識を持て」という言葉をよく聞きます。それと同じくらい反論や反発が多いようにも感じます。この言葉の意味を考えると、なにも会社の役員や幹部のように働けということではないのではないかという気がしてきました。では一体何を経営し、どんな意識であるべきなのでしょうか。

ビジネスワークモデル

組織で働いていると、無駄に感じること、意義ややりがいを感じにくいこと、十分な評価が得られない(と感じる)ことなど、"働く"のモヤモヤともいうべきものがあります。私たちがそれらを解消するために試行錯誤の上にたどり着いたのが、プライベートクラウドサービスという考え方です。
kazukiyunoue-work.hatenablog.com
つまりクラウドベンダーのように働く、ということです。そうすると、

  • プラットフォームモデルだから多くの利用者を獲得して単価を下げる必要がある
  • 多くの利用があっても大丈夫なようにサービスやプロダクトを作る
  • フィードバックをすぐプロダクトに反映する
  • 顧客(つまり社内の利用者)に会ってヒアリングする
  • 利用数の指標を見たり、ステークホルダーに提示したりする
  • 見込み顧客のいる市場はどこにどれだけあるか調査する
  • 各サービスのプロダクトライフサイクル(導入、成長、成熟、衰退)を意識する
  • あるサービスのメニューを減らして管理コストを浮かせようとする
  • 人気のないサービスを縮退させる
  • 浮いた分を成長期のサービスに回せないか検討する
  • 新たな見込み顧客になるかも知れないので、他部署の動向を気にする
  • 最近は○○が人気だから、○○みたいなサービスを作るといいかも知れないなと妄想する

こういった考えや行動が業務の前提になり、こうした業務のビジネスモデル、ビジネスワークモデルともいうべきものを意識するようになっていました。それはもはや少人数でサービスやプロダクトを作るベンチャーやスモールビジネスに取り組む組織かのようでもありました。つまり、自分たちで自分たちの業務を"経営していた"のですね。クラウドベンダーモデルだけではなく、例えばノウハウを記したワードファイルを提供する業務なら、ファイルをダウンロードするウェブページを用意して、ダウンロード数を主要指標とし、ダウンロード数を増やすためにノウハウをアップデートしたり、プロモーションをかけたりするというシンプルな物販モデル、継続的なカスタマーサポートを提供する業務なら、サブスクリプション(定期購入)を申請できるウェブアプリケーションを用意して、入会数と退会数の比率やLTVに当たるような数値を主要指標とし、指標を伸ばすためにサポートの内容や体制を変えたり、プロモーションしたりする継続モデルでしょう。このように、外部に対して価値を提供するということ、それを実現するために考え行動しろということが、「経営者意識を持て」という言葉に含まれているのではないでしょうか。これはどんな業務、どんな些細な業務でも重要なことです。特にコーポレート部門やIT部門のようなバックオフィス系の場合、ビジネスの実際の一般顧客と業務を提供する社内の顧客がいます。一般顧客を感じることが困難なら、社内の顧客に割り切って"経営"することも一つの手かもしれません。

あなたの業務の経営者はあなた

ぜひ、自分たちの業務のビジネスモデルを考えてみてください。その際注意したいことが、複雑にしないことと自己矛盾を内包しないことです。自分のチームにリソースや政治力が乏しい場合は、複数の他部署と提携し、顧客にも様々な形式で業務を提供するような複数のビジネスモデルが絡み合うのは難易度が上がる傾向にあります。また、プラットフォームのような業務は利用を増やすことに価値があり、コンサルタントのような業務はプラットフォームの利用を減らしたり止めたりする提案に価値がある、というような自己矛盾になりうるサービスを自チームに持たないことも重要です。各チームがそれぞれの業務を自ら経営する状態を社内で実現するには、各チームが自ら考え自由に行動できるような適切な場を用意する必要があるでしょう。そして、「経営者意識を持て」ではわかりにくいので、「あなたの業務の経営者はあなたです。価値を作り提供して、適切なリターンを得てください」と言いましょう。長いですけど。