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働くを考える

社内プロジェクトでは特に”「ご近所さん」を探せ”が重要

失敗プロジェクト

失敗するプロジェクトで良くあるのが、完成までの間、一切一般の利用者とコミュニケーションを取らず、完成した後に共有され、そこで認識の不一致や大きな不満が続出して破綻するパターン。もうひとつがプロジェクト開始直後から、利用者、関連部署等の関係が少しでもありそうな人や場合によっては全く無関係そうな人までがプロジェクトの”中の人”になり、利用者に過度な負担を強いたり、様々な立場の人の様々な企てが錯綜したりして破綻するパターン。これらはプロジェクトにおけるコミュニティの分析と明確化の不足によるものだと思います。

「ご近所さん」を探せ

ソフトウェアの開発手法であるアジャイルの中にインセプションデッキという仕組みがあります。これはいくつかの質問に答える形で資料を作成すると、プロジェクトやプロダクトの方向性を明文化できるというものです。その中に、”「ご近所さん」を探せ”という問いがあり 、これはまさにコアチーム(中の人)を中心に、プロジェクトに関わる人を図式化するものです。どうもこの問いは軽視されがちな傾向にあるようにも感じますが、「アジャイル・サムライ」での失敗プロジェクトのエピソードにもあるように、当初想定される関連部署を洗い出していなかった結果、完成間際になって物言いが付いてプロジェクトが失敗するというのも珍しくないのではないでしょうか。特に社内プロジェクトでは曖昧になりがちであるとともに、これに起因してプロジェクトが失敗しているようにも感じます。プロジェクトに関わる人物は大きく以下のよう分かれると思います。顧客、パートナー、無関係、ステークホルダー、競合の5つです。まず第一に顧客との関係性を密にする意味でも、顧客に当たる人物像は明確にすべきです。そうすることで、このプロジェクトが「誰のための何なのか?」がはっきりし、向かうべき方向や詳細が自ずと決まるはずです。パートナーやステークホルダーに当たる相手や組織も明確にし、さらに責任範囲ややり取りのフロー等も当初から明確にしておきましょう。そうすることで、「言った言わない」や「突然の方向転換」を防ぐことができるはずです。そして、無関係に当たる一群に関しては徹底して気にしない姿勢でいるべきですので、こちらも明確にしましょう。もちろん、新規顧客開拓の際は大いにアプローチが必要です。

顧客に届く

特に社内プロジェクトは意義や意図が十分に明確でなかったり、伝わらなかったりする場合があります。タスクとして始まる傾向にあるでしょう。結果的に顧客像をはじめ、登場人物が明確にないまま、進行しているように感じます。"「ご近所さん」を探せ"を意識して、しっかり顧客に届くプロジェクトにしましょう。