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働くを考える

ビシネスワークフローから抜け出し、独立独歩なチームになる

組織内には多かれ少なかれ、何かしら物事を実現するためのビジネスワークフローがあると思います。それらは工場の製造ラインのように、より効率性を追求する上ではとても理にかなっていますし、重要なことだと思います。例えば、マーケット部門->企画部門->研究開発部門->生産部門->営業部門や、企画部門->編成部門->アプリケーション開発部門->システムインフラ部門などが挙げられるでしょうか。しかし、重く錆びた鎖のようなワークフローには問題点もあります。ひとつは(時間やお金の)コストがかかること、です。それぞれの部門や部署が自らの業務に責任を持つが故に、各所でバッファーが組まれます。2日で出来ることは念のため3日に設定されるでしょう。これらが積み上がれば決して無視できない無駄なコストです。これはワークフローが長ければ長いほど顕著です。ふたつめは変えられないこと、です。製造現場では当たり前のことなのですが、なぜかビジネスにおけるワークフローには第三者的な観点でそれらを短縮したり、組み替えたりする組織や仕組みが全くと言っていいほどありません。当然、全体像が見えず、上流から来た仕事を下流に流すだけの状態になってしまった"中の人"が、問題点を指摘することもできません。最近では業務外の活動を通じて関連部署の信頼関係を築くやり方も注目されていますが、「信頼関係があると衝突を避けるためコストは下がらない」という以前見た記事にも納得感がありますし、信頼関係を築いた相手に「もっと良い部署があったのでさよなら」とは言いにくいものですよね。そこで個人的には敢えて離れてみるのが良いのかなと思っています。外部の組織や会社とやり取りするように、厳格で戦略的な関係にするのです。それを実現するために、"中の人"として、現場として、できることを3つ挙げました。

3つの実践

サービス化を徹底する

業務をウェブ化する」でも述べたように、自身の業務を徹底してサービス化しましょう。窓口をウェブ化し、内部の運営も可能な限りシステム化して自動化します。また依頼数や利用数、満足度といった加点方式の数値を指標として計測し、数値の上昇を狙って、特定部署だけでなく広く受け入れられるような業務に変えていくのです。また、ここで判明するであろう、ほとんど必要とされていない業務は潔く定量的に切り捨てましょう。

承認をしない、させない

ワークフローで多いのが承認というフェーズです。もしくは事前の根回しです。どんな些細なことでも、事あるごとに承認を要求する傾向にありますよね。予算の仕組み、責任の分解や所在の明確化という意味で致し方ない部分もあると思いますが、ほんとうに必要なのか、検討と議論の余地はあるでしょう。特に事後でも問題ないかは一考です。インバウンド側(あなたが依頼する側)に対しても、承認なしで実現可能か、もしくは簡略化できないか働きかけましょう。

信頼できるパートナーとだけ組む

インバウンド側に強い依存があると、自身の業務に支障を来たしたり、満足のいくものにならなかったりする危険性があります。万が一、インバウンド側の他部署の業務レベルが低いなら、サービス化によって得た業務の分かりやすさと定量的なパフォーマンスの数値を武器に、強く要求していきましょう。もしそれでも改善が見られないなら、その業務を自分たちで出来ないか、もしくは他部署で実現できないか、真剣に検討しましょう。他部署が原因で、自分たちが思い描く理想を追求できないのはナンセンスです。それも難しいようだったら、自身の業務(サービス)の質や立ち位置、存続含めて改めて議論しましょう。

独立して生きていけるか

何より重要なのは、ワークフローが用意してくれているであろう、インバウンド側の大きな後ろ盾や、アウトバウンド側(あなたに依頼する側)のあなたに間違いなく仕事を要求するであろう既知の他部署がなくとも、意義や価値のある業務が行えているか、ということです。現実のビジネスがそうであるように、何年も続いたワークフローが突如崩壊し、自身の存在が危ぶまれる事も考えられます。ワークフローに強く依存するのはリスク以外のなにものでもありません。脱ワークフローをすると、孤独感に苛まれたり、自分たちがちっぽけな存在に感じたりしますが、サービス化によって最小化し、質が圧倒的に向上したあなたの業務は必ずあなたを守ります。