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働くを考える

効率化やコスト削減そのものを目的にしてはいけない理由

今より業務にかかる時間を短縮するとか、印刷物を減らすとか、会議を減らすとか、そういった効率化やコスト削減の業務は良くあることだし、また非常に良いことだと思います。しかしそれ自体を目的にしてはいけません。なぜなら、減らすことそのものが目的だと、突き詰めると、極論、そのモノや業務、ひいては自分自身の存在を否定するような、自己矛盾を内包してしまう危険性があるからです。

「月次報告書の作成に時間がかかっているから減らそう(目的化)」

「では作成するのをやめましょう(極論化)」

「おー」

「!?(自己矛盾)」

減らさなきゃいけないけど、自分たちの存在理由(とされるもの)でもある業務は捨てられないとなってしまっては、思い切り業務に取り組めなくなりますよね。

ではどうしたら

これも自身の業務の顧客像とその課題(ニーズ)が明確化できていない証拠だと思います。効率化して時間を短縮したいのは、顧客にもっと早く提供したいからとか、顧客にもっと安価に提供したいから、ですよね。一旦立ち止まり、これは誰のための何なのか、を考え直したり、皆で議論したりするのをお勧めします。また、業務の指標となるものを加点方式に切り替えるのも重要です。例えば、業務完了時に収集する満足度アンケートのポイントとか、業務の依頼数や利用数などを指標とし、効率化やコスト削減によってそれらが増加する(もしくはしない)ことをフィードバックにするのです。これは業務の評価者にとっても非常に分かりやすく、自身のモチベーションにも大きくつながります。

ソリューションはあなたの仕事の一部

効率化やコスト削減はあくまでソリューションであって、リーンスタートアップリーンスタートアップキャンバスが示す通り、ソリューションはあなたの一部でしかありません。しかもその割合は思うほど大きくないのです。重要なのは顧客と課題です。仮にソリューションの形式(タスク形式)で業務を割り当てられても、冷静に顧客とその課題について考えましょう。きっともっと良いソリューションが見つかるはずです。あなたのボスもそんなことを期待しているかも、しれません。