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働くを考える

業務をウェブ化する

突然ですが、みなさんは普段どうやって仕事を受け付けていますか?メールやBTS(バグトラッキングシステム)、マネージャーからの口頭による指示でしょうか。もしくは、MicrosoftさんのOffice365のSharePointサイボウズさんのデヂエといった帳票系システムでしょうか。往々にしてそれらは曖昧だったり、または多義に渡っていたりしませんか?結果、言った言わないという不毛な議論したり、間違った解釈によって手戻りが発生したりしていませんか?また、誰がどれくらいの頻度や回数で、そしてどういった心持ちでそこに至ったのか正しく把握できない傾向にあります。そうすると、左から右へのこなすだけの仕事になりがちですよね。仕事が作業になる瞬間です。

3つの利点

業務改善としてのリーンスタートアップでは、あなたの業務はあなたが提供するサービスで、あなたの仕事を受け取る人があなたの顧客であり、その顧客行動だけがあなたの仕事のパフォーマンスを示すものだと考えます。どんな些細な業務でも、です。では、具体的にサービスにする、とはどういうことなのでしょうか。ひとつには、あなたの業務への入り口をウェブアプリケーションで用意する、という方法があります。つまりあなたの業務をウェブサービスのように扱う、ということです。ウェブアプリケーションには大きく3つの利点があります。1つめは、分かりやすさです。ウェブアプリケーションというパソコンのブラウザ上で誰にでも目に見える形で提供されるので、顧客にとっても分かりやすく、またチームメンバーやステークホルダーにとっても、自分たちの業務は一体何なのか、ということが非常に伝わりやすく、チームの方向性が統一されます。また、入り口を集約し、入力データの制限を正しく設定すれば、不適切な情報を除外でき、取り違いや解釈の相違を防ぐことも可能です。ウェブアプリケーションを用意しただけで瞬時に分かりやすくなるとは限りませんが、分かりやすくしたい、良くしたいという感情が生まれ、業務をサービスとして捉えるひとつのきっかけになるでしょう。2つめは、顧客行動を計測する仕組みが豊富に取り揃えられている点です。たとえば、Googleアナリティクスのような汎用的な分析ツールを導入するだけでも、どれだけの顧客がいて、あなたの業務へのアクセスの頻度や回数、時間帯といった基本的な情報を瞬時に回収することが可能です。またウェブアプリケーションに改良を加えれば、A/Bテスト的に、例えば50%にはAという説明ページを用意し、もう50%にはBという説明ページを用意したとき、それぞれがどれくらいの割合で目的に達成するかを比較すれば、顧客のニーズや考えをかなり定量的に汲み取れることができます。あなたの仕事のパフォーマンスを示し、あなたのモチベーションの原動力になる顧客行動を簡単に収集可能でしょう。3つめは、とにかく楽しい、ということです。この楽しさは上記2つのウェブアプリケーションという実体である点と顧客のフィードバックを得やすい点がモチベーションの向上に寄与し、圧倒的なやりがいとなって、自分やチームメンバーを後押ししてくれるでしょう。

働くのより良い未来

自分の業務はITとはまったく関係がない、もしくは何もそこまでコストをかける必要がない、と思うかもしれませんが、僕の個人的な感覚では結果的にこのコストはペイできると思っています。使いにくく、提供しにくい業務をひたすら我慢して続けるのか、業務改善の基盤を作り未来永劫的に改善を続けられる状態にするのか、その業務の未来を決める極めて重要な分岐点のように思います。まずは、情報システム部や開発部門のエンジニアにコンタクトして、こういうことをしてみたい、と是非相談してみて下さい。最近は技術の進歩で簡単にウェブアプリケーション開発が可能になってきています。興味がある方は自分で開発してみるのも可能でしょう。エンジニアの方は自分で頑張ってください!そして、周りに広めてください。自分の業務をウェブ化して、よりよい未来をつかみましょう。