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働くを考える

バックヤード部門の業務目標設定は「誰」の「どんな喜びか」を考える

多くの企業で、半期または四半期に1度人事評価のため、社員個々人の業務目標の設定とその振り返り(フィードバック)を実施していると思います。そこで難しいのが、IT部門や総務、経理といったコーポレート部門のような、実際の顧客と直接的な接点のないバックヤード部門の目標設定です。営業部門における契約獲得数のような圧倒的にわかりやすい数値目標もありませんし、伝統的または慣習的にやるべき(と思っている)仕事が決まっていることもあるのでしょう。多くの場合、社員が掲げる目標は「タスク」なのです。「○○システムのバージョンアップ」や「他の部門からの問い合わせ対応」といったところでしょうか。しかし「タスク化」してしまうと、評価する側は「出来た・出来なかった」の二極的な判断を下す必要に迫らせますし、昇格を促すようなプラスアルファ的なパフォーマンスを与えることも難しくなります。評価される側としても、こなすだけのタスクでは、当然モチベーションを高く維持することも困難でしょう。逆説的に、モチベーションが低いからタスク的な目標を掲げてしまっているということもあるかもしれません。当然タスクなので情勢や進行状況によって変わったり無くなったりすることもあるでしょう。結果、目標設定ミーティングが憂鬱なものになってしまっています。では、双方にとって意義のある目標設定をするにはどうしたらいいのでしょうか。

シンプルなビジネスモデルを考える

根底にあるべきは、その目標は「誰」の「どんな喜び」を造成できるのか、ということです。先ほどの例の「○○システムのバージョンアップ」でいうと、「システム利用者」の「新機能を使いたい」や「高速に処理させたい」という喜びになるでしょうか。次にその喜びを「最大化」するにはどうすべきかを考えるのです。「新機能のドキュメントを用意する」、「講習会を開催する」、「システムのパラメータを変更する」などになるでしょうか。ご覧の通り、ここで初めて「タスク化」されるのです。そして成果は「どれだけ喜ばせたか」になります。「喜び」という定性的な概念が、果たして定量的な数値が求められる成果に採用できるのかと思うかもしれませんが、「誰」の「どんな喜び」で考えると不思議なことに誰でもその成果を定量的に見られるようになります。簡易なところでは「星の数による完了後のアンケート」などでしょうか。これによってメンバーは「喜ばせるためには何をすべきか」という思考になり、タスクをこなすだけの仕事が、知的創造活動へと変貌するのです。当然、モチベーション向上に大きく寄与することは言うまでもありません。
また管理職の方は、チームが造成する「総喜び量」とも言うべきものを最大化するため、メンバー個々人の掲げる「誰」と「どんな喜び」の軌道修正を忘れてはいけません。対象とすべき「誰」から逸脱している場合は修正し、「喜び」とその「喜ばせ方」が組織的戦略に沿うよう修正します。わかりやすい方向性で言えば、薄利多売的に「小さな喜び」を可能な限り範囲を拡大させた「誰」に届ける戦略もあると思いますし、その逆もまた然りです。これはカスタマーセグメントやソリューション、そしてレベニューストリームを考えることであり、まさにビジネスモデルを考えることと言って良いでしょう。管理職の方はチームのビジネスモデルを設計し、方向性やビジョンとして示すことを忘れてはいけないのです。

全ての仕事に顧客がいる

残念なことに多くの人事評価システムが1次元的な「目標・振り返り・(数値的)評価」の羅列になっています。別の方法でチームのビジネスモデルの認識を合わせ、個々人がモチベーションを持って知的創造活動に邁進できる状態にしていきましょう。そうすれば、チームの雰囲気は変わり、圧倒的なパフォーマンスを出す強いチームに進化しているはずです。

どうしても業務改善活動が始められない時は1人プロジェクト戦法が有効

業務改善活動が始められないもっとも多い理由は、上司や上層部から承認が得られない(もしくは得られないと思っている)ことではないでしょうか。費用対効果や通常業務への影響等が懸念として挙がってくるケースがこれにあたります。そんな時はなんであれチームのうちの1人が何かを初めてしまうことです。多くの場合、1人分の通常業務でしたら、他のメンバーで分担することは可能でしょう。チームリーダー程度の技術と組織力がある人選が良く、無用なステークホルダーを増やさないように自チームで完結する業務で取り組むのが良いでしょう。そしてもっとも重要な点は、必ず結果が出て、必ず成果が出る案にすべきです。プロジェクトの進め方、属人化の抑止、システム開発のベストプラクティス等はこの際全て置いておいて、自分たちで自分たちの業務を「変えてもいいんだ」、そして「変えることでもっと良くなるんだ」ということを知ることです。

ケーススタディ

僕たちの場合は、2012年あたりで当時のリーダーの通常業務を10−20%程度に抑え、当時分散してしまっていた業務の受付を統合するため、1人で黙々とウェブアプリケーション制作を始めました。一般的にソフトウェア開発では良くないとされる1人での開発、開発手法であるアジャイルとはほど遠い行き当たりばったりのプロジェクト進行、そしてソフトウェアとしては決して褒められるようなクオリティではありませんでした。しかし、(正確にはわかっていたことですが)圧倒的な成果がありました。無駄な確認コストが一掃され、今までとは比べものにならないほど快適に業務ができるようになったのです。そこから少しずつ、開発手法やプロジェクトの進め方自体の改善をし、複数人で取り組めるようにもなりました。成果が出れば、大かがりな改善や実費
のかかるソリューションも、上司や上層部への承認がやりやすくなります。今ではほとんどのメンバーが業務をより良くすることそれ自体が、通常業務の全てと言っていいほどになりました。

知ること

とにもかくにも、どうにかして「変えてもいいんだ」ということと「変えることでもっと良くなるんだ」ということを知ってしまうことです。そのあとは化学反応が起こるように、モチベーションが高く、成長志向のあるチームに生まれ変わっていくことでしょう。

例えどんな組織に属していても、自分の仕事や働き方は変えられる

多くの人は、ルールや組織上の決まり、伝統やもっともらしい大義名分によって、自分の仕事や働き方は変えることができないと思っています。場合によっては、変えずに"正しく"遂行することこそが働くことと捉える向きもあります(もちろん、それも正しい姿勢ですが)。またはどんな退屈な仕事であれ、それを失う不安のようなものに苛まされているのかもしれません。しかし本当に変えられないのでしょうか。

ボールペンなら変えられる

転職や異動といった環境を変えるのではなく、今の仕事を変えること、それは大企業だろうと中小企業だろうと、例えどんな組織に属していても可能です。決して大げさな話ではなく、業務改善やBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)といった生真面目な話でもなく、自分の裁量で判断できる部分をほんの少し変えることは誰にでもできることではないでしょうか。変えても気づかれないところ、大事に至らないところ、例えば仕事で使われているボールペンだったり、資料のフォーマットのほんの一部だったり、そういう変化は誰にでも起こせるはずです。「なんだそんなことか」と思うでしょうし、おそらく多くは大きな変化もないでしょう。ですが、「変えられる」、「変えてもいいんだ」と理解するには十分です。次は"今よりも少しだけ良くなる"何かを変えればいいのです。もちろんトラブルになっても仕方がないので、内容によっては上司と相談すると良いでしょう。多くの場合歓迎されるはずです。一見すれば地味なこの活動を地道に続けていれば、いつしか夢中になれる仕事になり、場合によっては今よりももっと待遇のいいポジションや評価を得られることもあるでしょう。

終わりなき実験

著書「仕事は楽しいかね?」でこんなエピソードがあります。持つべきたった一つの目標は「明日は今日と違う自分になる」ことであると。そうすることで幻想でしかない長期目標、巷に溢れる成功体験や手法に惑わされず、身の回りにあるたくさんのアイディアを使って、物事をよりよくする"実験"を繰り返すことが、働く喜びにつながると著書は結論付けています。

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

僕たちはやりがいが効率性に勝るということを証明しなければならない

ビジネス向けチャットサービスは他にもあるのに(しかも以前から)、にもかかわらずSlack: Be less busyがなぜウケたのかを考えると、メールやミーティングといったビジネス上のコミュニケーションの多くは、文字通り"ビジネスライク"にお堅くなりがちなものを、ポップな見た目、軽快なアニメーションやエモーティコン、"おふざけ"的なものを含む豊富なプラグインやインテグレーションの楽しさによって、やる"甲斐"を与えているからではないでしょうか。情報伝達という観点で言えば、メールと大きく変わりませんし、場合によってはチャットの方が非効率ですらあり得ます。他のチャットサービスと比較するなら、機能面では何一つ違いがありません。それでも人を惹きつけて止まないのは、ただ"楽しい"という、真面目な文体で語るにはいささか気恥ずかしさすら感じるこの理由に尽きるのではないでしょうか。


やりがいのためのエンタープライズ

多くのエンタープライズ向けソフトウェアは効率のためにあります。情報を集め、フローを整備し、効率性を上げる、経営層や管理部門にとっては非常に意義のあることだと思います。しかしこれからは"やりがい"のためのエンタープライズ向けソフトウェアが求められるのではないかと感じています。ロボット技術やAIによって人間の働く場所は奪われると言われて久しいですが、確かにそれらによって効率性は今まで以上に大きく改善されるでしょう。ですのでこれからはやりがいによって生まれるイノベーションやクリエイティビティが、効率性に勝るということを、人間は証明しなければならないのかもしれません。どんな職種や業務であっても、そこに楽しさや面白さを見い出し、新たな価値を生み出す、それを少しでも支えられるエンタープライズ向けソフトウェアが作れたらいいなと思う今日この頃です。

情報と機能の囲い込みが組織内に繁文縟礼的無駄な仕事を生む

昨今コラボレーションツール等の発展で改善は見えるものの、それでも組織内の情報や機能は特定の部署や個人に限定される傾向にあります。特定の部署しか閲覧できない情報、管理職しか申請できない依頼などが挙げられるでしょうか。そのため、業務を遂行する上でまず情報を探すところから始まったり、場合によっては情報の在り処を知っているとされる人物とコンタクトを取ったり、いざ依頼をしても権限がなく手戻りや余計な時間コストを消費することになったりするのも、よくある組織内の風景のように思います。ロールプレイングゲームならいざ知らず、企業という組織でこれらが行われれば、問い合わせや依頼を左から右へ回すだけの繁文縟礼的無駄な仕事やそれをこなす部署が生まれ、組織としての競争力が失われるのは必至です。

なぜか

ではなぜ情報や機能は限定される傾向にあるのでしょうか。根底には暗黙的にビジネスワークフローに則る働きがあるように思います。ではなぜワークフローに則るのでしょうか。それは、門戸を広く開け放つことによって生じる、大量の依頼や宛先間違い、解決困難な依頼等に対する防衛本能のように感じます。情報を獲得できる人、機能を利用できる人を限定することによって、トラブルを未然に防ぐ狙いがあるのでしょう。ワークフローによって負荷の制限を実現しているのです。しかし本来市場原理で言えば、多くの利用は喜ばしいことのはずですし、同じ組織内の部署間で攻防が繰り広げられるのは非常に勿体無いことでもあります。

何ができるか

大量の依頼に対応出来るために、「業務の断捨離」をして、自部署にとって最も得意とする業務を取捨選択し、それらをプライベートクラウドサービスのように誰でもどこでも使える状態を目指しましょう。依頼の窓口に当たるサービスのインターフェースをより強固なものにすることで、不用意な依頼を抑止できますし、構造化・画一化された依頼はシステムによる自動化への道筋も見えてきます。こうすることで無駄な仕事がなくなりコスト削減が実現され、依頼を受ける人もする人も満足でき、皆やりがいが持てる組織が実現できるのではないでしょうか。

業務の断捨離で大企業病を克服しよう

働く上で、やりがいを大きく阻害するもの、それは知的創造活動ではない"タスク化"(作業化)してしまった仕事ではないでしょうか。ルールや伝統として引き継がれた"おまじないタスク"、誰のためのどんな価値があるのかわからないがやることになっているゾンビタスクなどがそれに当たります。タスク化してしまった仕事の弊害は多く、まず「やりがいが得られない」ことが挙げられますし、ゾンビタスクと記したように必要なことなのかわからないため、簡単に「消せない」こともそうでしょう。また、繁文縟礼的とも言える単体ではほとんど「価値がない」ような業務が平然と行われていたり、異なる部署で同等の業務が「重複している」可能性があったり、保守的になることから全く「改善されない」ことも挙げられます。これらの多くがいわゆる"大企業病"の症状とも取れる事象ばかりであることは、何かしらの因果を感じずには入られません。

業務の断捨離

そこで業務をひとつずつ整理整頓してみてはいかがでしょうか。業務の断捨離です。まずは大きくやりがいを感じられるような"知的創造活動の仕事"と、単純作業やルーチンワークといった"タスク化された仕事"に分けましょう。この時場合によっては、ひとつも"知的創造活動"箱に入らないこともあるかもしれませんが、部分的でもいいので何かを入れておくことをオススメします。いずれそれらがやりがいを感じられる知的創造活動の種になる可能性があるからです。"タスク化された仕事"に入った種々の業務を、今度は"捨てる"、"自動化"、そして"移管"に分けたいと思います。"捨てる"とは文字通り、その業務をある瞬間から止める、ということです。この行為はある種の自己否定を伴いますし、周囲から反発を受ける可能性もありますので困難なケースも考えられますが、実際の断捨離のコツがそのまま使えるかもしれません。発生数や頻度、発生期間などの閾値を設定すれば、決断の指標になるはずです。空いたリソースを使って、どんな知的創造活動をしようと事前にブレストしておくのも効果があるかもしれません。続く"自動化"とは、システムを活用して人手を介さずに実施できるようにすることです。そもそも繰り返し可能だということは、それはシステム的に自動化できるということに他なりません。Salesforceを始めとする特定の業務基幹システムをそのまま利用したり、kintoneなどの汎用的な業務支援サービスを使ってみたりするのもいいでしょう。知識と環境があるのなら当然自らアプリケーション等を構築すること(業務を(プライベート)クラウドサービス化する)も可能です。最後の"移管"とは、他部署に業務を引き渡すことです。責任放棄にも見えますし、難しい交渉が伴うようにも見えますが、多くの場合で結果的に意義のある行為となります。移管しようとしている業務が、すでにどこかで自動化されている可能性もありますし、今後知的創造活動として自動化しようとしている場合もあるでしょう。いくつかの部署と議論し、感触を得ることは大変意義深いように感じます。その過程で、"捨てる"の箱に入ることも珍しくありません。分類が終わったら全体を見回して、業務のコストや頻度、ネガティブな感情の量等を鑑みて、"捨てる"、"自動化"、そして"移管"の箱の中からチームとして取り組む業務を決め、実現に向けて動き出します。このような断捨離ワークショップをグループやチームで実施してみるのはいかがでしょうか。どの部分に無駄やモヤモヤを感じているのか、お互いに認識するだけでも何かのきっかけになるかもしれません。

業務のアップデートの重要性

日々、刻一刻とビジネス環境は変化しています。しかもそのスピードは年々早くなっているようでもあります。以前取り決めたことは間違いなく古くなります。断捨離を通じて適宜アップデートすることが、現場の人のやりがいを造成し、ビジネスの成功に近づく唯一の方法なのではないでしょうか。

おそらく数年後、企業の枠組みを超えてチームレベルでの統廃合が起きる、と思う

現在、多くの企業が機能別組織を採用しています。大きな枠組みでいうと、営業部門、開発部門、製造部門、会計部門、などでしょうか。事業部制事業本部制を採用していたとしても、細かく見ていけば、グループやチームといった単位で、機能毎に担当が分かれていることには変わりありません。しかし数年後、それぞれの機能は企業という枠組みを超えて、統廃合が行われるのではないかと予想します。つまり、すべての企業が出来うる限りのいわゆる「持たない経営」になるとともに、企業内のすべての業務が「事業化」または「本業化」に向かう時代です。

なぜか

外因:クラウドサービスの台頭

クラウドサービスとはネットワーク越しに様々な機能を提供するサービスの形です。大きな分類だと、サーバやネットワークといったハードウェアを提供するIaaS(Infrastructure as a Service)や、アプリケーションなどソフトウェアを稼働させる環境(プラットフォーム)を提供するPaaS(Platform as a Service)、そしてメールなどのソフトウェアそのものを提供するSaaS(Software as a Service)に分けられます。自前で機器を導入する必要がなく、使用量に応じたコストになるので、導入障壁が少なく、今日、利用していない企業は稀だと言ってよいでしょう。狭義のクラウドサービスにとどまらず、昨今ではエンジニアリングや士業といった人的リソースも、ネットワークを通じて提供するサービスアズアサービス(Service as a Service)とも言えるような形のものまで存在します。ともすれば、自身の業務と同種のクラウドサービスは間違いなく存在し、言うなれば、どんな職種や業務であれ、世界中で競争関係にあると言っても大げさではないでしょう。市場原理に従い、より優れたサービスを提供する方がより大きなマーケットを手に入れ、結果、規模の経済性からさらに安く便利になるはずです。今後さらにクラウドサービスが台頭し、その利用に対する受け入れが進めば、経営陣がクラウドサービスと社内業務を比較して、あらゆる点でクラウドサービスに優位性を感じるならば、企業内に持つ業務の差し替えが急激に進んでもおかしくありません。

内因:組織内に潜むコストが高くてやりがいのない仕事

一方で当ブログでも何度も働くの"モヤモヤ"について話してきました。鈍重で変えることのできないビジネスワークフロー上をタスクと責任だけが行き交う結果、日々タスクに追われ、引き継いだ伝統的なタスクや"おまじない"タスクをただこなすだけのやりがいのない仕事になり、また、各チームが自身の業務に責任を持つが故、各所でバッファが組まれ、質の低いこなすだけの仕事とバッファがワークフローを通じて積み上がれば、結果、事業そのもののスピードや質に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。これを"企業らしさ"と取る向きもありますが、今後、ビジネス環境が一層厳しくなり、経営陣が課題として認識したならば、コストでも質でも優位性のある外部に活路を見出すのは自然なことでしょう。

その時代に備えて何をすべきか

やりがいもなく、しかも差し替えられるリスクのあるこの時代、現場の人にとって受難とも言える時代に向けて、一体何ができるでしょうか。「業務を(プライベート)クラウドサービス化する」のように、コアコンピタンスになりうる自分たちにしかできない業務を見出し、それをあたかもクラウドサービスのように提供するのはひとつの手です。別の言い方をするならば、パブリックの競合サービスと勝負できるようなものを、パブリックにも提供可能な状態になるくらい洗練させる、ということです。必然的に業務の選択と集中が行われ、見出せない業務は外部のクラウドサービスや他チームに任せたり、止めたりするようになるでしょう。ふたつめは「チームとして、個人としてスキルセットを考え直す」ことです。コアの業務執行能力だけではなく、クラウドサービス化する上でのエンジニアリングや競合サービスとの市場の取り合いに向けたマーケティングも必要になります。それらをトレーニングや採用で補ったり、外部のサービスを利用したりすることに少しずつシフトすることは大変意義のあることです。そうすることで、組織内だけでなく、世界的にも一定の立場を確立できる素養があるのならば、この「総事業化社会」とも言うべき時代を生き抜いて行けるのではないでしょうか。そこまでするのは大げさに感じるかもしれませんが、そこまでする必要がないのなら、それはする必要がない、つまり外部と置き換えが可能だということを暗示していることに他なりません。

やりがいがあって意義のある仕事

ある意味殺伐とした時代予想ではあるのですが、同一の業務が集約することで得られるコスト削減は大きな経済効果を生むでしょうし、何より誰もが働くことや仕事に対して強烈なやりがいと開放感を持つ時代というのも、決して悪いことではないと感じます。このような時代に推し進める、または下支えするような仕組みを考えていけたらいいなと思います。